以前住んでいた家は、お風呂は薪風呂で母屋と離れていたため、真冬でも靴を履き一度外へ出なくてはいけませんでした。
家の中に洗面所もなく、もちろん洗濯機も屋内に置く場所がなく外へ設置し、また、冬は家の中でも吐く息は白く、濡れた雑巾が凍るほど寒く、まるで、昔話の一部に出てくるような生活を送っていました。こうした生活も、若い頃は苦になりませんでしたが、歳を重ねるごとに身体への負担も多く、暖かく現代的で楽な生活がしたいと切に願うようになりました。
家をなんとかしたい…!!と考え色々な住宅メーカーの見学会に行ってはみたものの、なかなか行動には移せずにいました。昨年、娘夫婦が木族の家さんで家を建てた事がきっかけで、木族の家さんとの交流が始まりました。その時は、何ヶ所か見学に行った住宅メーカーのうちの一社としか思っていませんでしたが、数を重ねるごとに、木族の家さん特有のあたたかな木のぬくもりを感じる事のできる家に魅力を感じお願いする事に決めました。
次は、新築にするかリフォームにするか…。もともと縦長の狭い立地条件の中で、土砂災害危険区域ということもあり、新築にすると色々な制限が発生する為、どうすれば、本当に住みやすい家が建てられるのか、新築にするなら将来歳をとり車に乗れなくなる事も考えれば、一層、こんな山奥ではなく市街地に近い場所に土地を買って建てたほうがいいのか…。本当に悩みました。ですが、自然豊かなこの住み慣れた場所で暮らしたい…という思いが捨てきれず、また、担当の下里さんからの「リフォームはやりがいがあります。」の一声に後押しされ、下里さんを信じて、この場所をリフォームする事に決めました。
実際に工事が始まり、50年住んだ家との別れは本当に寂しいものでしたが、その余韻に浸る余裕もないくらい家造りは大変なものでした。
柱だけを残しての総リフォームで、家の前は車一台しか通れない細い道で大きな機械が入れず、解体から始まり全ての作業が職人さんの手作業で本当に大変だったと思います。
家が骨組みだけになり、シートで覆われ、補強が済んで屋根が付き、ようやく、私たちにも家を建てるという実感が湧いてきました。
限られた空間の中でいかに住みやすく暖かな家、そして収納力も欲しい…など、わがままばかり言いましたが、下里さんと和田さんに的確なアドバイスをもらい助けて頂きました。日々検討しなければいけない事が増え本当に大変でしたが、苦労した分、自分たちの納得いく家造りができました。
台風や長雨の影響で工事が遅れ、11月末の引き渡しができるのか不安になる事もありましたが、一日一日完成に近付いている家を見るととても楽しみです。
熱心に取り組んで下さった下里さんや和田さん、藤沢棟梁を始め家造りに携わって下さった全てのみなさんに感謝して一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。本当にありがとうございました。